マンガにしたものの一覧表です。http://bungakuman.jp/mangabungaku/index_akutagawa.html
芥川龍之介の『あの頃の自分の事』をもとに、AI画像生成を用いて読みやすいように再構成してマンガ化しました。

本作は、若き日の芥川龍之介が、東京帝国大学英文科に通っていた頃を振り返る自伝的な随筆です。
物語は、語り手である芥川が、久しぶりに学生服を着て大学へ向かう場面から始まります。古い校舎、静かな講義室、掲示場で出会う友人たち。そこには、後に文壇で名を知られることになる若い文学青年たちの、まだ未完成で、少し気ままで、しかし文学には真剣だった日々が描かれています。
大学では、ロオレンス先生による『マクベス』の講義が行われます。講義はどこか退屈で、語り手は眠気をこらえながら机に向かいます。しかし、先生が門番の場面を声色まじりに講じると、語り手はふと可笑しさを覚え、隣の成瀬も静かに笑います。文学を学ぶ場所でありながら、講義そのものよりも、そこで感じる小さな違和感や可笑しみが、若き日の記憶として残っていきます。
講義の後、語り手たちは久米の下宿へ向かいます。狭い部屋には、本や原稿、コーヒーがあり、文学をめぐる遠慮のない会話が交わされます。菊池寛の戯曲原稿を読み、題材の面白さを認めながらも、台詞の飾りすぎを率直に指摘する場面では、友人同士だからこその厳しさと、文学に対する真剣さが浮かび上がります。
大きな事件が起こる物語ではありません。けれど、退屈な講義、友人との会話、原稿をめぐる批評、下宿の空気を通して、芥川龍之介が「あの頃」の自分と仲間たちをどのように見つめていたのかが伝わる作品です。
若く、未熟で、生意気でもありながら、文学にだけはまっすぐだった青年たちの時間を、漫画として読みやすく描きました。
原作:芥川龍之介
芥川龍之介『あの頃の自分の事』より
マンガで読む文学作品


コメント